東京2035―輝く世界都市 ~人は未来の都市空間に何を望むのか?~
日本テレワーク学会の会長も務めるICFプログラムコミッティーの市川宏雄氏をモデレーターとし、人々の働き方を中心に、世界都市・東京がどのように変化していくのかについて、議論が交わされました。
テレワークの恩恵を享受する代表者の1人としてIT批評家の尾原和啓氏が登壇。世界各国を行き来しながら自由度の高い働き方を実践していることを紹介し、テクノロジーが従来の人々の非人間的な生き方、働き方を本来の人間らしい形に戻す役割を果たすのではないかと述べました。
Googleやソフトバンクなどの名だたるテック企業で経営企画統括を担ってきた東京都市大学教授の葉村真樹氏は、テクノロジーの進化を肯定しつつも、あくまで人間が主役の都市を構築すべきだと主張します。人間が幸せで心理的に安定していなければ、社会は次のステージに進む原動力を持ち得ないとし、データに注目されがちなスマートシティにおいて人間中心のデザイン思考の重要性を唱えました。
WeWork日本支社副社長・高橋正巳氏は、世界的な成長を遂げる同社の、日本での共創の事例やその仕組みを熱のこもったプレゼンテーションを展開しました。また、現代的な働き方に向き合ってきた経験から、生きるために働くのではなく、生きがいを感じるために働く人が増える社会を目指すべきで、働くことの醍醐味を忘れるべきではないと語りました。
セッション後半のパネルディスカッションでは、未来の東京は都市全体が、WeWorkのように異能な個人たちが共創する舞台となり、仕事や個人レベルの交流が様々な垣根を超えて実現するというブループリントが共有されました。同時に、その変化の中で、自分の生き方に誇りが持てるかどうかに、人生の価値観がシフトしていく時代になるとの見解も示され、Urban Strategy Sessionは締めくくられました。